今週は中国の北京で開かれていたAPEC(アジア太平洋経済協力)会議でようやく行われた日中首脳会談に関する記事がトップとなった。習近平国家主席は本当に嫌々ながらこの会談を催したことが、世界中のテレビカメラの前で明らかとなった。
国家主席が世界中に配信した非礼ぶり
礼を重んじる国のトップが、笑顔を全く見せず、賓客であるはずの日本の首相をエスコートしようともしない。
「お前なんか来てほしくなかった」と言わんばかりの態度に、中国国内からもさすがに非礼過ぎると批判の声が上がったという。
あの画面を見ていて不愉快にならなかった日本人もいなかったはずである。だがしかし、日本の首相に対する非礼は、つまり日本に対する蔑視ということを意味するから、これはこれでよかったという見方もできる。
安倍晋三首相の政治的パフォーマンスに乗せられて、経済界が中国に深入りさせられる危険性が少しは遠のいたと言えるからである。
政治的にも経済的にも中国はいまリスクを抱えている。ここはしばらくつかず離れずお隣の国と付き合うのがいいのではないだろうか。
2位は予測されていたとはいえ、いまなぜという驚きを国民に与えた解散劇についての記事が入った。
与党の戦略的には全く正しい判断だったと言える。内閣改造の失敗で支持率は今後下がり続けることが予想されることと、そして野党の力が完全に落ちているためだ。
しかし、選挙は水物である。何が起こるか分からない。野党はアベノミクスの失敗だけを声高に掲げるのではなく、原発再稼働の問題など、日本の未来における問題点をもっとえぐるような議論を中心に据えるべきだろう。
アベノミクスの手法をあれこれ批判したところで、野党にそれ以上の経済活性化策があるとは思えないからだ。エネルギー問題や医療問題などを徹底的に国民に訴えてほしいものだ。
これ以外の記事だと17位に入った「危機のピーク時よりも危ういユーロ」は指摘に富んだ記事だった。ユーロの行方は注視しておきたいテーマである。