(2014年11月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ユーロ、対ドルで1年4か月ぶり安値

少なくとも危機は終わったとされているが・・・〔AFPBB News

 欧州の政策立案者が同意することが1つあるとしたら、ユーロの存続には、もう疑いの余地がないということだ。欧州経済は芳しくないが、少なくとも危機は終わったという。

 筆者は、このコンセンサスに異議を唱えたい。欧州の政策立案者は概して、ブリュッセルのユストゥス・リプシウス・ビル*1で深夜行われる会議の回数で危機を判断する。

 深夜の会議は間違いなく減った。しかし、これは悪い判断基準だ。

2年前よりユーロ解体の確率が高い理由

 危機の最中にユーロ解体の可能性がどれほどあったのか、筆者には見当もつかない。だが、その確率は今の方が高いと確信している。

 2年前、経済予測を手掛ける人々は、力強い景気回復を期待していた。我々は今、それが起きなかったこと、そして近く起きそうにもないことを知っている。

 2年前、ユーロ圏は金融危機に対する備えができていなかったが、少なくとも政策立案者は、喫緊の脅威に対処するメカニズムを作ることによって対応策を講じた。

 現在、ユーロ圏は長引く不況から身を守るメカニズムを何も持っていない。また、2年前と異なり、政策立案者はそのようなメカニズムを作る意欲がない。

 人生ではよくあるように、本当の脅威は予期した場所――つまり、国債市場――から来ないのかもしれない。現在の主役は国際的な投資家ではなく、新世代の指導者に投票する傾向が高く、地域の独立運動をより積極的に支持する反抗的な有権者だ。

 フランスでは、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首がフランソワ・オランド大統領との決選投票で勝つことを期待できる。

*1=欧州連合(EU)理事会の本部として利用されている建物