マット安川 オピニオン誌『月刊日本』の南丘喜八郎主幹と元法相・田中慶秋さんを迎え、安倍政権の問題点から解散・衆院選挙の行方まで、幅広くお話を伺いました。
だらしない野党のせいで、衆院選は自民党が勝利
月刊日本 主幹(撮影:前田せいめい、以下同)
南丘 今回の衆議院選挙は、投票率はたぶん悪くなりますね。野党がまとまっていない。民主党がだらしない。だから多党化現象になり、1党多弱という状況になっている。
いまの小選挙区比例代表並立制という選挙システムでは、最終的に自民党対乱立している野党になれば、自民党が勝つことになるわけです。安倍(晋三)首相がいま考えているのは、負け数をいかに少なくするかということです。ですから安倍政権は継続する。残念ながら。
田中 本来であれば比例をなくすとか制度を見直さなければいけないんです。それといま議員はみんな自分のことしか考えていないから、合区に反対している。人口の格差があるんですから。そもそも国会議員の数は何人が適正なのかということも含めて議論しなければいけません。
南丘 もう1つ、政党助成金について。これは個人の選挙ではなく、政党同士の選挙にしましょうということで始まったものです。だから政党は企業からカネをもらわないで、個人もカネをもらわないで、国がそのカネを面倒見ましょうと。1人当たり年間約5000万円を政党に払っている。
いまの自民党だと200億円近いカネが年間で入るわけです。民主党でも65億円くらい。いまの政治家にカネなど出す必要はない。そういうような議論をもう一度しないと。SMバーの代金を国の税金で面倒見るなんてトンデモない話ですよ。
消費税増税で苦しむ中小零細企業。国民は貧しくなるばかり
南丘 安倍政権がこの2年間でやったアベノミクスで、異次元緩和といってジャブジャブおカネを出しています。マネタリーベースでいうと2倍です。
そのカネはどこに行ったかというと、株や外国に流れている。中小零細企業に対する融資はほとんどされていません。
急激な円安で輸入物価が高くなり、中小零細は本当に困っています。日本人のほとんどがそういう企業で働いていて、汗を流して国を支えている。豊かな生活をしている人はごくわずかです。そういう中で安倍(晋三)首相はなぜ解散を決めたのか。