元大阪府議会議員の徳永慎市氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(11月9日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。大阪の地方政治の現状や課題について語ったほか、中国漁船によるサンゴ密漁問題などを取り上げた。
世代や地域の垣根を超えて「おもろい町」を目指す大阪市東成区
中山 今回は、元大阪府議会議員の徳永慎市さんにお話を伺います。来年春に地方統一地方選挙が予定されていることや、安倍改造内閣で石破(茂)氏が地方創生大臣に就任するなど、今「地方」が話題になっていますが、かつて地方議会に在籍していた徳永さんは地元大阪の現状をどうご覧になっていますか。
徳永 私は、今から7年前の2007年(平成19年)に40歳で大阪府議会議員(東成区選出)に初当選し、1期4年を務めました。東成区はいたるところに町工場が見られ、昔から住んでいる方が多い比較的落ち着いた地域です。
ここに根ざした活動をしていて感じたのは、市民の皆さんが政治に対して少なからず不満を抱いていたり、距離を置いているということです。何かを期待してはいるものの、それが何なのか具体的に見えていないという印象を受けます。
私は毎朝駅頭に立っており、その甲斐もあって声をかけていただく機会が増えました。ただ、選挙の時に地域を回っていると顔をよく知っている方がたくさんいるのに、駅に立ってみると、行き交う人の顔をほとんど知らないことに気づいたんです。
こうした地域の政治に積極的でない、いわゆる無党派層に自分の思いを真摯に訴えれば、いずれ伝わるのではないかと信じています。
中山 今、大阪の地方政治は非常に不安定だと思いますが、いかがですか。
徳永 府・市の議会と、橋下(徹)大阪市長や松井(一郎)大阪府知事が対立してばかりで、大阪の未来のために何をすべきかが議論されていません。政局だけがクローズアップされていて、地域の人たちの思いが汲み取られていない気がします。
東成区というのは、先述した通り落ち着いた町ですが、言い換えれば年配の方が引っ張っている町でもあります。若い人もいるにはいますが、地域の活動を中心になって行うのは年配者が大半で、若者が一緒にやるケースがとても少ない。
彼らに地域の活動に参加してもらい、さらに政治に興味を持ってもらうにはどうすれば良いのか、それを考えながら日々取り組んでいます。例えば去年と一昨年、区役所主催で新しいイベントを立ち上げ、私はその企画や運営に携わりました。