大阪市議会議員・自民党議員団政調会長の川嶋広稔氏と、大阪市都島区前区長の荒木肇氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(10月5日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。大阪の市政改革の現状や大阪都構想の課題など、地方政治をテーマに語った。

職員のモチベーションが上がらない大阪市の行政

中山 今回は大阪市議会議員・自民党議員団政調会長の川嶋広稔さんと、大阪市都島区元区長の荒木肇さんをゲストに迎え、石破茂氏の地方創世担当大臣就任などで注目を集める地方政治についてお話を伺います。

 大阪では地方公務員の給与見直しに関する話題がよく持ち上がりますが、一方で現業職の人員・給与削減や民間委託の推進も行われていると聞きます。お2人はこの問題をどうご覧になっていますか。

大阪駅ステーションシティ(ウィキペディアより)

荒木 大阪市は橋下(徹)市長が就任してから、給与や退職金をはじめとする職員の日常生活に関わる部分の見直しがかなり進められています。

 その影響もあってか、優秀な職員ほど前倒しして退職するケースが多く見受けられるのが現状です。本来は「人こそが組織をつくる」という考え方が基本であり、まずはしっかりと人づくりに取り組むことが大事だと思いますね。

川嶋 私は昔サラリーマンをしていましたが、その職場では「何をつくる会社ですか」と聞かれたら「人をつくる会社です」と答えるように言われていました。当時の経験からも、私は人を大事にする会社や組織こそが生き残り、長い歴史を築いていけるのだと実感しており、最近の大阪市の行政は行き過ぎだという気もします。

 大事なのは公僕として市民の生活やサービスなどの向上を図ることであって、そうした視点を持つ職員を一人でも多くつくり、育てるべきではないでしょうか。

中山 橋下氏は市政改革の柱として2012年に公募区長制度を導入しましたが、新区長の就任に伴い、荒木さんを含めて当時現職だった区長は副区長になりました。

 私が疑問に思ったのは、行政経験のない新区長が一般職トップとして前区長よりも強い権限を持ち、年収も従来を数百万円上回る1400万円にアップしたことです。市の財政改革と言いながら、これではかえって負担が増えている気がするのですが。