先月のVIET-JOニュース(2014年9月24日付)によれば、ジャックス傘下のジャックス・インターナショナル・ベトナム・ファイナンス(JACCS International Vietnam Finance Co.,Ltd.、略称:JIVF、所在地:ホーチミン市)は、来年1月よりクレジットカード事業を開始する。
ベトナムではWTO加盟に伴い外資参入障壁が撤廃された2008年以降、100%外資の金融機関が誕生。そうした金融機関、例えば、HSBC、ANZ、スタンダードチャータードバンク、シティバンクなどがクレジットカードを発行しているが、日系によるクレジットカード発行は同社が第1号となる。
最近、ハノイ市滞在中にレストランで食事をしていると、若いベトナム人たちが当たり前のようにクレジットカードで支払いをしている光景が見られる。これは、一昔前と比べれば隔世の感がある。
現金決済主義からの脱皮~デビットカードからクレジットカードへ
ベトナムでは長らく現金がほぼ唯一の決済手段であった経緯があり、銀行が定めるクレジットカード審査は厳しいようで、全体のカード普及率はまだ低い。結果、利用者は銀行審査に通ることのできる都市部の富裕層や中間所得層に偏っている。
全体のクレジットカード普及率は不明だが、感覚的には都市部では1割程度ではないだろうか。ちなみに、最近の地元アンケート調査によれば、クレジットカードを主に利用する場所はスーパーマーケット(回答割合77%)で、月々の利用額は100万~1000万ドン(約5000~5万円)の間で利用している人が81%であった。
銀行審査が厳しいのは、そもそも信用情報制度が整備途上であることにも関係している。審査のポイントは定職に就き安定した収入があるか否か。銀行によって、最低月収の条件を200万ドン(約1万円)に設定している場合もあれば、2000万ドン(約10万円)以上に設定している銀行もあるそうだ。