米半導体大手のインテルが2014年7月15日に発表した今年4~6月期の決算(PDF書類)は純利益が27億9600万ドルとなり、1年前に比べ40%増加した。

法人市場でパソコン需要回復

インテル、第4四半期の業績見通しを下方修正 タイ洪水で

米カリフォルニア州サンタクララ市にあるインテルの本社〔AFPBB News

 マイクロプロセッサーの四半期出荷個数が過去最高を更新するなどパソコン向け半導体販売が伸びたほか、サーバーなどのデータセンター向け事業も好調だった。

 インテルは世界の大半のパソコンにマイクロプロセッサーを供給している。だが、ここしばらくはタブレット端末などモバイル端末の人気の高まりでパソコン販売が低迷、同社の業績に影響を及ぼしていた

 そうした中、パソコン市場は回復の兆しが表れている。

 先頃市場調査会社の米ガートナーが公表した今年4~6月期の世界パソコン出荷台数は7576万台で、1年前から0.1%増加した。伸び率はごくわずかで、横ばいという状態だが、8四半期続いた前年割れにようやく歯止めがかかった。

 米マイクロソフトによる「ウィンドウズXP」のサポート打ち切りなどを背景に、法人市場でパソコンの買い替えが進んでいるという。インテルも6月に発表した業績予想で、法人向けパソコンの需要が高まっていると報告していた。

 同社の4~6月期の売上高を事業別に見ると、パソコン向け事業「PCクライアント」は86億6700万ドルで1年前から6%増加、サーバーなどの「データセンター」事業は35億900万ドルで同19%増加した。

 このほか、モノのインターネットと呼ばれる「IoT(Internet of Things)」関連の組み込み機器向け半導体事業は、5億3900万ドル。この部門は売り上げ規模が小さいものの、同24%増と好調を維持している。

モバイル向け半導体は大幅減収だが、CEOは強気

 これらに対し、タブレットや携帯電話向け半導体などの「モバイル&通信」事業の売上高は5100万ドルとなり、同83%減と大幅に減少した。

 また営業損益は11億2400万ドルの赤字。この部門の赤字額は昨年1~3月期に7億300万ドルだったが、その後、7億6100万ドル、8億1000万ドル、8億7400万ドル、9億2900万ドルと一貫して増え、当期はさらに拡大した。

 インテルはパソコン向け半導体の世界最大手だが、モバイル端末向け半導体では出遅れている。そうした中、同社のブライアン・クルザニッチ最高経営責任者(CEO)は、タブレット向け半導体を年間4000万個出荷するという目標を立て、巻き返しを図っている。