米インテルが4月15日発表した今年1~3月期の決算(PDF書類)は、売上高が1年前から1.5%増の127億6400万ドル、純利益が同5%減の19億4700万ドルだった。

1~3月期の結果は「まずまず」との評価

インテル、第4四半期の業績見通しを下方修正 タイ洪水で

米カリフォルニア州サンタクララのインテル本社〔AFPBB News

 このうち、パソコン向け半導体の売上高は79億ドルで、1年前から1%減少した。データセンター向け半導体の売上高は同11%増の31億ドルだった。

 パソコン市場の低迷が続く中、サーバー向け半導体など、好調なデータセンター事業で補ったというわけだ。今回の決算はまずまずの内容との評価。これを受け、同日のインテルの株価は時間外取引で一時3%以上上昇した。

 ただし、同社の主力事業はあくまでもパソコン向け半導体だ。その売上高は全売上高の約6割を占めている。また同社はパソコン向けプロセッサーの世界市場で約8割のシェアを持っており、この市場への依存度が高い。

 先頃米IDCがまとめた1~3月期における世界のパソコン出荷台数は7342万台で、1年前から4.4%減少した。この減少幅は過去8四半期(2年)で最小となり、回復の兆しが見えてきたと言われているが、これは同時に前年割れが2年続いていることも意味している。

 そうした中、インテルはタブレット端末やスマートフォン向け半導体などに注力し、パソコン依存からの脱却を図っている。

「モバイル&通信」の赤字額、四半期ごとに拡大

 これに先立ち、同社は財務報告の事業区分を変更すると発表。今回の決算発表で初めて、従来「その他インテル・アーキテクチャー」に区分されていた「モバイル&通信」の数値を個別に公表した。

 この「モバイル&通信」について詳しく見てみる。

 今年1~3月期の「モバイル&通信」事業の売上高は1億5600万ドルで、同社売上高全体に占める割合はわずか1.2%だった。この金額は1年前に比べ61%減と落ち込みが激しい。