成田空港から9時間、ジェットスターの直行便がほぼ毎日飛んでいるオーストラリアのゴールドコースト。ここから車で1時間ほどの距離にあるのが人口9000人程度の田舎町、バイロンベイだ。

オーストラリアの田舎町が世界から注目される理由

 オーストラリア原住民アボリジニの聖地であったこの地には、1970年代の世界的なヒッピー文化の盛り上がりとともに、新たなライフスタイルを求めるヒッピーやアーティストたちが多く移り住んできた。

 さらにその後、シドニーやメルボルンの富裕層たちが、自然への回帰を求めて居を構えるようになり、現在ではナチュラル志向の富裕層、サーファー、バックパッカーが世界中から集まる、過剰な文明が排除されたユニークな街として知られる。

 高い建物はほとんどない。街を歩くのは白人が多いが、年齢層は若者から老人まで幅広い。リュックサックを背負ったバックパッカーが目立つ。

低層の木造建築がほとんどという市内の様子(筆者撮影:以下同)

 この街の特徴的なこととして、ファストフードやコーヒーショップなどの大手チェーン店がほとんどないことが挙げられる。その代わりに多数あるのが独自の趣向を凝らしたレストランで、世界中の食事が楽しめる。

 特にエコを意識したオーガニックフードのレストランが充実している。有機野菜・有機果物を使ったローフード(加熱処理しない食べ物)やスムージー(生野菜や果物などをミキサーにかけたジュース)なども一般的なものとして存在している。