マーケティング・マネージャー700万~1200万円、セールスディレクタ-1500万~2500万円、カントリーマネージャー1500万~5000万円・・・。外資系の給与水準は人材紹介会社が調査結果を公表している。

 相場を知るうえで、概ね信頼できる数字だし、筆者の肌感覚ともほぼ合致している。でも、公表されている金額にはボーナスが含まれていなかったり、数字だけでは分からないことも多い。外資系の給与実態を紹介してみよう。

外資系企業の組織体系

 まず、給与体系を把握するためには、組織体系を知ることが大切だ。

 外資系の組織は、多くの場合、日本社長を頂点に、マーケティング、セールス、ファイナンス、人事・総務、広報渉外、ITなどの各機能本部があり、各機能本部の下にさらに担当部署そして担当者が配属されるというピラミッド構造を持っている。

 会社によっては、ビジネスごとに事業部制をとっている場合、各機能本部が日本社長より海外本部とより強くつながっていることもある。

 なぜ、組織体制が重要かと言うと、各々のポジションに明確な役割が割り当てられており、職位も報酬も、それぞれのポジションに密接に結びついているからだ。

 と言うことは、自分ができる、もしくはできると認められた、組織体系上のポジション次第で、報酬は決まってくる。どんなに優秀でも、組織上の役割を果たせない人は高い職位、報酬を得ることはできない。

 自分のキャリアプランを明確にして、組織上、高いレベルの役割を果たせるような人材となることがよい報酬を得るうえで重要だ。

 外資系の典型的な組織は下の図のようになる。大手の非金融外資系を念頭に置いた。スタッフは日本の会社の担当者レベル。とは言っても、役割は明確に決められているので、見習いというわけにはいかず、個人として成果を求められる。

 スタッフを数人まとめた部署を管理するのがマネジャー。マネジャーをさらにまとめるのがシニア・マネジャー。そして、その上に、社長に直接レポートするディレクター、そして会社のトップに社長がいる。