大きな外資系企業の一例
では、報酬体系について見てみよう。たいてい、社内にグレードという職位システムがあり、アルファベット(A,B,C…)であったり数字(1,2,3…)であったりするが、新入社員から社長まで、だいたい10前後のランクに分かれている。
年功序列という考えはないので、昇格なしに報酬は定昇以上に上がらない。逆に認められれば、1~2年ごとに昇格して、30代半ばでディレクターレベルに到達する事も決して珍しいことではない。報酬は、固定給と業績賞与、長期インセンティブで構成されている。
外資系の報酬体系
給与=基本給+業績賞与+長期インセンティブ(ストックオプションなど)
基本給は、固定給とも言われ、支払いが確定している金額。多くの社員は年俸制であり、年収の12分の1が月給として支払われる。基本給は、毎年の業績評価で上昇率が決まり、昇格なしてあれば、インフレなどの経済状況と個人の成績次第で概ね0~5%の上昇幅、昇格すれば数十%アップといったところだ。
業績賞与は、自分の成績、会社の成績によって支払われるボーナス。基本給の何%という形で支払われることが多い。日本のボーナスと違い、事後に労使の交渉で決めるのではなく、あらかじめ計算式が決められている。
業績による振れが大きく、役職が高くなるほどその割合が高くなる。業績が良い時はスキーム次第で年間基本給の50%や100%が支払われることもある一方、業績が悪い時には0%となることもある。
長期インセンティブは、会社によってかなりスキームが異なる。代表的なのはストックオプションで、会社の株価が上がればかなりの金額を得られるが、株価が上昇しなければ価値が出ない。
会社によっては、数年後に支払いが約束されるボーナスを支給することもある。いずれにしても、お金を受け取る権利は3~5年後となることが多いので、その会社に長く働くことが前提となる。
長期インセンティブは、人材保持を目的としているので、ディレクター以上の役職が高い人が主な対象となることが多い。