今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(3月30日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、南京事件に関する習近平中国国家主席の発言を取り上げたほか、消費増税や外国人労働者の受け入れ拡大などについて解説した。

「処刑」や「餓死」で多数の死者を出した中国共産党の歴史

中山 3月30日の報道で気になったことがありました。それは、南京事件に関するものです。

 中国の習近平国家主席は3月28日、訪問先のドイツで講演し、日中戦争当時の南京事件について、南京では旧日本軍が30万人以上を虐殺したと述べた上で、ドイツの戦後処理を評価し、暗に日本の対応を批判。

 この発言について菅(義偉)官房長官は、日本政府も南京における旧日本軍の殺傷や略奪などを否定していない。しかし犠牲者の人数などでさまざま意見が分かれている中で、中国の指導者が第三国であのような発言をしたことは極めて非生産的だと述べたということです。

 その上で菅官房長官は、政府としてさっそく中国側に抗議し、29日、外務省から東京の中国大使館に対し電話で抗議したことを明らかにしたと伝えられています。

金とヒスイでできた毛沢東像を公開、17億円相当 中国

金とヒスイで造られた毛沢東中国初代国家主席の像が、中国・広東省深センで公開された(2013年12月13日撮影)〔AFPBB News

 それにしても、習近平国家主席は、日本が30万人虐殺したなどと言えたものなんでしょうか。なぜかというと、それこそ中国の毛沢東は1957年2月27日に自らこう言っているんです。1949年から54年までの間に80万人を処刑したと。これは『ザ・ワールド・アルマナック1975年版』に書かれていることです。

 また、周恩来は同年6月、全国人民代表大会報告で、1949年以来、反革命の罪で逮捕された者のうち、16%にあたる83万人を処刑したと報告しています。さらに42%が労働改造所、いわゆる強制収容所に送られて、32%が監視下に置かれたとも述べています。

 毛沢東はその後もさまざまな権力闘争や失政を続けましたが、大躍進運動と文化大革命によって少なくとも2000万人が死に追いやられたとされています。