風は冷たいが陽射しは強い春のシリコンバレー。インキュベーションセンターの一部屋で「ホラ、見てごらん」と言われた画面には、ケータイに保存されている画像、メールの中身、もちろんアドレス帳がダダ漏れにされていた。
勝手に自撮りされる危険性
聞けば、アンドロイドOSには、こうした抜け穴がそのまま放置されるケースが多いのだという。
世界中のハッカーたちは、そんな抜け穴情報を手にすると、スマートフォンやソーシャルメディアに侵入して、データを抜き取っていく。データを抜き取るだけでなく、リアルな機械を遠隔操作で操ることも可能だ。
去年の夏、アメリカのミス・ティーンUSAは、見知らぬ誰かに自分のパソコンのカメラを操作され、勝手に写真を撮られて要求に従わないと画像をバラまくと脅されていたらしい。
ほかにも、クリスティーナ・アギレラやスカーレット・ヨハンソンといったスターたちも自分の知らない間にパソコンのカメラを起動され、写真を撮られていた。
こうした犯罪をsextortionと呼ぶ(sexとextortion=ゆすりの造語)。ここまでは愉快犯。
インフラを破壊するサイバーテロ
ネットワークに繋がった機械を操作して、もっと大規模なインフラも破壊できる。
2007年(もう7年前)に公開された映画「ダイ・ハード4.0」にはすでに、テロリストが路上の信号を全部青に変え大事故を引き起こしたり、街頭の監視カメラで標的を追跡する様子が描かれている。