日朝交渉をめぐるデマや誹謗中傷
13歳の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの両親である横田茂さんと早紀江さんが、10日から14日にモンゴルのウランバートルで、孫娘のキム・ウンギョン(ヘギョン)さんと初めて面会したことが明らかになりました。
私は「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」の与党筆頭理事を務めており、個人的にもこのニュースを喜ばしく思います。
現政権では安倍(晋三)首相が在任中に拉致問題を解決したい考えを示しているほか、国家公安委員会会長の古屋(圭司)拉致問題担当相も全力で取り組んでいます。今回の面会はその一つの成果と言えるのではないでしょうか。
横田さん夫妻が「一つのことをきっかけに、全被害者救出のためになることを切望しています」とコメントを出している通り、今後も北朝鮮に猛省を促しながら、残された拉致被害者の一刻も早い帰還を実現させる必要があります。
日本と北朝鮮の間にはまた、拉致、核・ミサイル問題の他に、よど号ハイジャック犯の引き渡しという懸案も存在します。
小西隆裕を中心とするよど号ハイジャック実行犯のメンバーは、平壌に亡命して今年で44年目になりますが、エリートでもある彼らの頭の中には相当の情報が隠されているはずであり、よど号犯の逮捕帰国が拉致被害者発見の手がかりになる可能性もあるのです。
日朝交渉は現政権になってから始まったわけではなく、小渕(恵三)政権の頃から様々な取り組みが行われてきました。そのきっかけとなったのが、自民、社民、新党さきがけ3党の与党訪朝団の派遣で、そのとき私も記録係として同行しました。
当時の様子についてネットでは様々なデマや嘘が出回っています。私の父である中山(正暉)も訪朝後、まるで裏切り者のような扱いを受け、ありもしない情報を流されました。もちろん全て事実無根ですし、何より大事なのは言うまでもなく、早期の拉致問題解決を目指すことです。
同時に、いかにして北朝鮮に日本に向けてミサイルを発射させないようにするかということ。そして地政学的に北朝鮮を中国の手中におさめさせないよう、対話と圧力などを通じて西側諸国側に引っ張り出すため、国交正常化も視野に入れながら粘り強く交渉して行くことです。
国家のために命懸けで訪朝した父親があらぬ誹謗中傷を受けているのを見ると情けないし、ネット等の書き込みが本当に日本人の仕業なのか疑問に思えてきます。ネットの書き込みで国籍までは分かりませんし、もしかすると日本の孤立化を狙う近隣諸国による工作なのではないかという気もします。
いずれにせよ、ネットの情報だけを信用せず、最初に見聞きする1次情報を疑ってみることも必要です。「やすトラダムス」では、今後もニュースの真相を独自の視点からお伝えしていきます。
