ニッケイ新聞 2014年2月19日
リオ・デ・ジャネイロ市にあるカトリック総合大学(PUC-RIO)の科学技術センターが、同市南部の海岸にあるシャワーの水を調べたところ、地下水だから安全と見られていたシャワーの水に尿の成分が混じっている事が判明した。
調査対象となったシャワーの水は、コパカバーナとレーメ16カ所、レブロンとイパネマ10カ所の計26カ所で採取され、その全てから尿の成分が検出された。
同大学では水に含まれるリンや硝酸塩、アンモニアなどの成分を分析。リンと硝酸塩が検出された水は尿が混入してから時間が経っており、アンモニアが検出された水は尿で汚染された直後だという事が分かる。
この調査は、2012年にリオ・デ・ジャネイロ州環境研究所(Inea)が同市南部の海岸のシャワー10カ所の水を調べたところ、大腸菌群が検出され、シャワーに使う地下水が下水によって汚染されている事が判明したと報じられた事がきっかけで行われた。
同市の海岸にあるシャワーは、砂浜に店を出している人達が設置したポンプで地下7~8メートルの所にある水を汲み上げて利用しているが、それだけの深さの所の水であっても、砂には十分なろ過機能がなく、下水や尿による水質汚濁は免れ得ない事が判明した。
調査を担当したPUCのジョゼ・マルクス・ゴドイ教授によれば、シャワーの水の塩分濃度は場所によって差が大きく、海水と変わらないレベルの所もあった。また、塩分濃度が薄い所は、雨以外の理由による場合は、陸から流れ込む水や尿によって汚染されている可能性が高くなるという。
海岸のシャワーの水から尿の成分が検出されたのは、シャワー利用者や海水浴客、散歩中の犬の排尿などが原因と見られている。
また、海水浴客の大半はシャワーの水の方が海水よりきれいだと思っているが、塩素で消毒してある水道水以外は水質の保証はなく、海水以上に汚染されている可能性さえあるので、注意が必要だ。