本記事はLongine(ロンジン)発行の2月26日付企業IRレポートを転載したものです。
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 パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニックIS)のIRトップである吉川達夫取締役に、当社の収益性の高さや純資産を継続的に積み上げているビジネスモデルの内側、健全なバランスシートを活用した今後の事業展開について話を伺いました。

Longine IRから投資家に伝えたい3つのポイント

●パナソニックISは、創業以来当期純利益を計上し続け、純資産を積み上げてきた上場企業の中でも稀な企業です。
●パナソニックISの収益性の高さは、源流が松下電工の情報システム部門であったこととビジネスパートナー(共にシステム開発・運用を行うパートナー)との取り組みに秘訣があります。
●パナソニックISはバランスシートの健全さにより月額課金をはじめとしたITの「サービス」化を実現できています。

長期にわたり継続的にBPSが拡大した背景を考える

Longine IR:投資のプロフェッショナルである証券アナリストやファンドマネージャーは、3,500社近い上場企業の中からこれぞという投資対象を発掘するために、「スクリーニング」という作業を行います。スクリーニングの結果、パナソニックISはBPS(一株当たり純資産)が継続的に拡大していたり、また営業利益率などが高く突出しています。今回はその背景をお聞かせください。

吉川達夫(以下、吉川):よろしくお願いいたします。

Longine IR:まず、経営の巧拙の判断材料として、BPSの継続的な拡大に注目したいと思います。経営者がBPSを継続的に積み上げるのは、実は極めて骨の折れる仕事です。BPSの変動要因となる、諸要因(毎期の利益、配当支払い、保有資産の評価額の変化、発行済株式数)がしっかりコントロールされて初めて、継続的なBPSの積み上げが達成できるためです。図表1をご覧ください。パナソニックISは2005年度から12年度にかけて、BPSが倍以上にまで拡大しています。その最大の要因は何でしょうか。

出所:SPEEDAをもとにLongine IR作成

吉川:BPSを毎年積み上げていくのは大変です。しかし、当社はこれまで創業以来当期純損失になったことはありません。結果的としてBPSが拡大しています。これは、経営陣が利益にこだわり、高い収益性を実現するビジネスモデルを作り上げてきたことに尽きます。また、営業利益率が比較的高いことからBPSを積み上げる速度が速かったともいえます。