米アップルのアイフォーンやアイパッドなど、大手電子機器メーカーの製品を受託製造している台湾・鴻海精密工業と、米IT大手のグーグルがひそかにロボット開発で協力していると海外メディアが報じている。
米ウォールストリート・ジャーナルによると、両社の提携は昨年始まったようだ。
グーグル、製造業向けロボットのOS開発か?
グーグルでは昨年、長らくモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド」の責任者だったアンディ・ルービン氏が最先端の研究開発を行う「グーグルX」という部門に異動になった。
このグーグルXは、自動走行車両やめがね型インターネット端末などに取り組んでいる部門で、昨年はロボット関連企業を8社買収している。
報道によると、このルービン氏と鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は最近会談し、新たなロボット技術について話し合った。この会談ではルービン氏がオートメーション技術のデモンストレーションを行い、郭会長がそれを称賛した。
またルービン氏は、グーグルが買収する企業の技術を生かすために機械工学に強みを持つ鴻海の知識が必要だとし、郭会長に協力を求めたという。
グーグルは昨年、米ボストン・ダイナミックスという企業を買収したと伝えられた。この企業は米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)などの政府機関と契約を結び、軍事研究用ロボットの開発を行っている。グーグルはこれら企業の技術を用い、民間用ロボットの研究開発を行っていると言われている。
グーグルのロボット開発について最初に報じた米ニューヨーク・タイムズによると、同社が目指している分野は、電子機器の組み立てや、物流センターのオートメーション化。
昨年は米アマゾン・ドットコムが、小型無人飛行機による商品配送システム「アマゾン・プライム・エアー(Amazon Prime Air)」の構想を明らかにしたが、こうしたロボット技術が将来の成長のカギを握ると見て、多くのテクノロジー企業が開発に力を入れているという。