気持ち悪い、それともかわいい? いや恐ろしい――。
映像を見た人がそんな言葉を口にする、軍事研究用のロボットを開発する米ボストン・ダイナミックスという企業を米グーグルが買収したと海外メディアが報じている。
動画サイトで話題になった「BigDog」を開発
ボストン・ダイナミックスのロボットは動画共有サイトでも見ることできるが、そのうち「キモかわいい」あるいは「キモ怖い」などと話題になったのが、四足歩行ロボットの「ビッグドッグ(BigDog)」と、四足走行ロボットの「チーター(Cheetah)」だ。
前者は約150キログラムまでの荷物を載せながら、傾斜地やがれき、ぬかるみ、雪道などを時速6キロメートルで歩くことができる。公開されているデモ動画では、人が足でロボットの側面を蹴っても、うまく姿勢を保つ。
後者は外部の油圧ポンプの力で室内の大型ランニングマシン上を最高時速46キロメートルで走れるロボット。最近はガソリンエンジンを搭載し、外部動力を必要とせず走れるようになった時速26キロメートルの後継機「ワイルドキャット(WildCat)」も開発された。
このほか同社には、化学生物兵器防護服の試験目的で開発したヒト型の二足歩行ロボット「ペットマン(PETMAN)」や、同じくヒト型で、がれきなどがある不安定な場所でも姿勢を保ちながら歩く「アトラス(Atlas)」などがある。
「Android」の元責任者がロボット計画を推進
報道によるとボストン・ダイナミックスはソニーの子犬型ペットロボット「アイボ(AIBO)」の開発に携わったというが、同社には自社製品があるわけではなく、事業の大半は軍事研究用のロボット開発だ。
同社は米マサチューセッツ工科大学(MIT)のマーク・ レイバート元教授の研究チームだったが、1992年に独立。今は、米国防総省国防高等研究事業局(DARPA)などの政府機関との契約により、資金を得て、開発を行っている。