今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(2月2日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、出直し市長選挙を表明した橋下(徹)大阪市長について取り上げたほか、北東アジア情勢を踏まえた日米韓関係や北九州市の沖合で内閣府の男性職員が遺体で発見された事件などについて語った。

橋下市長が再選されても市長の任期はリセットされるわけではない

中山 日本維新の会の橋下(徹)共同代表は、東京都内のホテルで開かれた党大会で「大阪都構想をこんなところでは止められない」と述べ、辞職のうえ出直し選挙を表明しました。

  この選択に、大阪市民の間では歓迎と戸惑いが交錯しています。一方では「橋下市長は都構想を訴えて平成23年11月の市長選で当選した。事態が硬直化している以上、出直し選は当然やるべきだ」と支持する声があります。

 他方では、市長が求めた都構想の区割り案絞り込みに応じなかった自民、公明について「維新の勢いがなくなったことで強い態度に出たとしか思えない。市長選の民意を無視しているのでは」との批判もあります。

 また、出直し選はやり過ぎだという意見や「出直し選をすれば都構想が実現する保証があるのか」と疑問視する声も上がっているようです。

 市長の任期は4年ですが、例えば2年目で出直し選をして再選された場合、また新たに4年間市長を務められるわけではなく、残りの2年しか務めることはできません。

 選挙管理委員会によると市長選にかかる費用は約5億~6億円だそうですが、自分の政策が通らないからといって橋下市長が出直し選挙をするために、そんな多額の税金を使っていいのか果たして疑問です。

 また、公明党が維新の政策に反対を表明しているのも大きなポイントです。ほとんど維新側だけで考えた政策やアイデアを押し付けられて、違和感を抱くのは当然でしょう。

 大阪に住む私ですら、都構想の区割り案などを新聞で見て初めて知るくらいなんです。必要な情報を発信せずに、都構想の是非を問うのはおかしいと思います。そもそも、大阪市議会をなくしても区議会を開くことになれば、むしろ議員定数は増えるかもしれません。

 公明党が表明した「反対」は、実は首相官邸に向けられたメッセージなのかもしれません。というのは、このところ憲法改正などをめぐり首相官邸と維新が接近しており、安倍(晋三)首相も健全野党という言葉を用いて政策推進のために野党の協力を必要としています。