バンクーバー新報 2013年12月12日50号

 無神論者のNPO団体、センター・フォー・インクワイアリー・カナダは、同団体の広告掲示依頼が拒否されたことについて、人権侵害の訴えを起こす考えであることを明らかにした。

 同団体が作成した広告には、コーヒーカップを片手に、ラップトップコンピューター越しに微笑む女性があしらわれ、その横に聖書の文体に似せた次のような文章が添えられていた。『ジェン伝 13章1節・祈りは何の役にも立たない。行動こそが、救いとなる』

 さらに団体名の下には、『神がいなければ、みんなうまく行く』との一文も。

 同団体理事パット・オブライエン氏は、この広告の掲示をパティソン・アウトドア社に依頼したものの、拒否されたと話している。

 「パティソン社からは、納得の行く説明を得られなかった。それどころか、同社のガイドラインについて問いただしたところ、我々に提示できるようなガイドラインは持ち合わせていないと説明された」とオブライエン氏。

 これに対しパティソン社社長ランディ・オットー氏は、インクワイアリー・カナダと、その広告に対して何ら否定はしていないとメディアの取材に対して答えている。また自社のガイドラインに従って広告の修正を依頼したのは事実だが、どのような変更を依頼したかについては関知していないと答えている。

 パティソン・アウトドア社のウェブサイトによると、同社はカナダでの屋外広告の最大手で、45パーセント以上のシェアを誇っている。

バンクーバー新報・本紙記事の無断転載を禁じます。JBpressでは、バンクーバー新報の許可を得て転載しています)