米IDCがまとめた今年7~9月期の世界スマートフォン市場調査によると、この期間における基本ソフト(OS)別の出荷台数は米グーグルの「アンドロイド(Android)」が2億1160万台となり、首位を維持した。

 アンドロイド端末の出荷台数は1年前の同じ期間から51.3%増え、その市場シェアは81.0%と、初めて80%を超えた。

大型端末「ファブレット」が急伸

 アンドロイドに次いだのが米アップルの「iOS」、つまりアイフォーン(iPhone)で、その出荷台数は3380万台だった。こちらは1年前から25.6%増と比較的好調だったが、市場シェアは14.4%から12.9%に低下した。

 IDCによると、世界のスマートフォン市場はアンドロイド端末を中心に大きく拡大している。市場全体を見ると同期間の出荷台数は2億6110万台で、1年前から39.9%増えた。スマートフォンは先進国ですでに普及が進んでおり飽和状態にあるが、新興国ではまだ多くが従来型携帯電話(フィーチャーフォン)を利用しており、市場成長は今後も続くと見られている。

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画面サイズが5~7インチの大型端末が人気という〔AFPBB News

 そのカギを握るのが、「価格」と「大型端末」のようだ。例えば7~9月期におけるスマートフォンの平均販売価格は317ドルで、1年前から12.5%下がった。

 実は、この7~9月期は米マイクロソフトのOS「ウィンドウズフォン」の出荷台数が1年前から156.0%増と急伸した。同OS搭載端末の出荷台数は950万台、市場シェアは3.6%と、まだ規模は小さい。

 だが、その伸び率はほかのどのOSよりも高い。IDCによると、ウィンドウズフォンとアンドロイドは低価格市場向けの端末がそろっており、それらが出荷増につながったという。

 また7~9月期は、画面サイズが5~7インチの大型端末が伸びた。このサイズの端末はスマートフォンとタブレットの中間にあたることから「ファブレット(Phablet)」と呼ばれる。7~9月期はこのファブレットが全スマートフォン出荷台数の21%を占め、1年前の3%から大きく増加した。ファブレットの平均販売価格も1年前の573ドルから、443ドルへと約23%低下している。

iPhone、7~9月期は新モデル登場前の減速期

 アップルも現行モデル「5s」「5c」の4インチよりも大きい4.7インチや5.5インチの端末を開発しているとの観測が流れているが、IDCはアップルが7~9月期にシェアを伸ばせなかったのは、同社にファブレットがないからだと指摘している。

 もっとも、アップルがアイフォーンの現行モデルを発売したのは9月20日で、今回のIDCの統計にはその実績がわずか11日分しか反映されていない。また9月19日以前の数週間は新モデル登場前の減速期にあたり、出荷台数が伸びなかった。

 一方でアップルは、新モデルの販売台数が発売後最初の3日間で900万台を超え、過去最高を記録したと発表している。IDCは、もしこの販売実績が今後の市場動向を占うものであれば、アップルは以降の四半期で新たな記録をつくることになると指摘している。