『中山泰秀のやすトラダムス』(11月3日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇陛下に直接手紙を渡した問題を取り上げたほか、韓国国内からも不安視される朴槿恵(パク・クネ)外交や、中国・天安門で起きた車両爆破事件などについて解説した。

天皇を一般国民と同一視するような行動は看過できない問題

中山 10月31日に開かれた秋の園遊会で、山本(太郎)参議院議員が天皇陛下に手紙を手渡しした問題について、与野党から批判が相次いでいます。

 自民党の石破(茂)幹事長は2日、北海道・札幌市で講演し、この件に関して「あのままにしておいていいと思わない」と述べ、懲罰的な対応が必要だとの認識を示しました。

 かつては「不敬罪」というものがあり、天皇や皇族もしくは神宮・皇陵に対し、敬意を払わず礼儀を失する行為は罪に当たりました。

 これは1947(昭和22)年、刑法改正により廃止となっていますが、現在は請願法において天皇陛下に対する請願書は内閣への提出が義務づけられています。また、そもそも天皇陛下は政治的に中立の立場であり、国政に関する権能を有していません。

 立法府の人間である国会議員がそれを「知らなかった」では済まされませんし、知りながら罰則規定がないからといって皇室の政治利用とも取られる行為をしたのなら言語道断です。

 今回の一件で、山本議員の直訴を誰も静止しなかった警備体制のあり方が問われているほか、彼の行動を看過した場合、後に同様のケースが出てしまうことなどが懸念されています。

 一方、ネット上では「なぜ天皇に手紙を渡してはいけないのか」という意見も見られますが、山本議員が取った行動の一番の問題は何なのか。

 私が思うにそれは、天皇を「一般国民化」しようとしたことです。議員辞職までする必要はないという声も一面では理解できるものの、天皇という存在を一般国民と同一視するのは大きな問題です。

 マスコミを利用した売名行為だとの批判もありますが、私はそうは思いません。名前でいえば山本議員は十分に売れており、むしろ彼が“売ろうとした”のは天皇だったのではないでしょうか。これこそが問題の本質であり、私が一国民として怒りを覚える部分です。

 震災後、被災地をお見舞いになられた天皇皇后両陛下の姿は、被災者に勇気と希望を与えるとともに、日本国民にとって改めて両陛下の存在の大きさを感じさせました。

 その存在を決して軽んじることなく、民主主義の中において政治がいかに皇統を守っていくのか、隙のない議論をすべきではないでしょうか。山本議員は今後、自身の取った行動の責任を取るべき時が来ると思います。