映画やテレビ番組などの映像コンテンツをインターネット経由で配信するビデオオンデマンドサービスの市場で米グーグルが攻勢をかけている。
グーグルは2日、同社のスティック型映像ストリーミング端末「クロームキャスト(Chromecast)」に、米フールーの定額制ビデオオンデマンドサービス「Hulu Plus」が対応したと発表した。
フールーは同日、自社サービス用アプリの最新版を公開しており、これをアンドロイド端末や米アップルのアイパッド(iPad)にダウンロードすれば使えるようになる。
安さが人気、アマゾンの売れ筋ランキングで第1位
クロームキャストはグーグルが今年7月に発売した小型端末だ。本体をテレビのHDMI端子に挿すと、スマートフォンやタブレット端末、パソコンから無線で映像をストリーミング配信し、大画面で見ることができる。
この端末は35ドルという価格の安さが人気を博し、米アマゾン・ドットコムのエレクトロニクス部門売れ筋ランキングで1位になっている。
これまでクロームキャストは、米ネットフリックスのサービスのほか、グーグル傘下の「ユーチューブ(YouTube)」、同社のデジタルコンテンツ販売ストア「グーグルプレイ」の映画や音楽だけが利用できるというものだった。そのためこの端末の成功を危ぶむ声も聞かれていた。
ところが、今回ビデオオンデマンドサービス大手のフールーが加わり、今後はインターネットラジオの「パンドラ」や、米有料チャンネル大手HBOの映像配信サービス「HBO GO」も対応すると見られており、売れ行きが芳しくなかった「グーグルTV」とは異なる展開になるのではないかと言われている。
またクロームキャストは発想の転換という点で米アップルや米ロク(Roku)など他社端末と一線を画すと言われている。インターネットから映像を受信するのは本体ではなく、モバイル端末やパソコンだからだ。このため本体は簡素な作りとなり、小型・軽量、低価格化を実現している。
またリモコンは付かないが、アプリやパソコンのウェブブラウザーがリモコン代わりになるため、操作性も良い。