先頃、韓国サムスン電子がスマートウォッチとも呼ばれる腕時計型のモバイル端末を開発中だと伝えられたが、その後の新たな情報によると同社は9月4日にドイツのベルリンでイベントを開き、その会場でスマートウォッチを発表する予定だという。
ブルームバーグやニューヨーク・タイムズなどの米メディアによると、端末の名称は先の報道の通り「ギャラクシー・ギア(GALAXY GEAR)」。通話の機能のほか、ウェブや電子メール、ゲームといった機能を備えるという。
ただしこの端末には、かねて噂されていたような曲げ伸ばしできる「フレキシブルディスプレイ」は使われない。このディスプレイはまだ量産体制が整っておらず、サムスンが目指す年内の製品発売には間に合わないという。
一方で米アップルもスマートウォッチを開発していると報じられている。ブルームバーグによれば、アップルでは100人規模の技術者チームが、いわゆる「アイウォッチ(iWatch)」を開発しており、こちらも年内の製品発表を目指している。
スマホ2強の影響力
こうした腕時計型のモバイル端末は何も目新しいものではない。家電大手のソニーや進行企業の米ペブル・テクノロジー(Pebble)がすでに製品化しているほか、米マイクロソフトも「スマート・パーソナル・オブジェクト・テクノロジー(SPOT)」と呼ぶ技術基盤を開発しており、それをベースにした製品が2008年まで販売されていた。
だがこれらはいずれもスマートフォンのように普及していないというのが現状。そうした中、世界のスマートフォン市場を支配するサムスンとアップルの参入で、この状況に変化が起きるのではないかと言われている。
例えば米ブルームバーグビジネスウィークは、スマートウォッチ普及のカギとなる要素について考察しているのだが、その1つが、サムスンとアップルによる巨額を投じた宣伝・マーケティング活動にあると指摘している。これによると、昨年1年間の両社を合わせた宣伝費は50億ドル。もし両社がこうした販売活動をスマートウォッチに対しても行えば成功の可能性は高まるという。