週刊NY生活 2013年8月3日453号

歌も音も姿も往年のビートルズそのままを再現している舞台「レット・イット・ビー」 Photo by Chad Batka

 トニー賞プロデューサー川名康浩プレゼンツ!

 ブロードウエーのセント・ジェーム劇場で始まった「レット・イット・ビー」は、ビートルズのデビューから解散までの40余りの記念的ステージを凝縮して再現したレビュー公演だ。

 出演者もそっくりさんなら、歌も音楽も往年のビートルズそのままを感じさせる。

 プロデュースした川名康浩さんは次のように語る。

 昨年はビートルズがラブ・ミー・ドウでデビューして50周年だった。その50周年を記念してロンドンで「レット・イット・ビー」がプロデュースされ、現在も上演されています。ブロードウエーでもこの作品をプロデュースする企画が立ち上がり、私もプロデューサーとして参加した。

 ビートルズは1966年8月29日のサンフランシスコ公演を最後にコンサート活動を休止。彼らの中期以降のナンバーをライブで観る事は不可能だった。またそれらのナンバーは、当時複雑な技術を駆使して録音されたため、生での演奏は難しいと言われてきたが、ビートルズの初期から、再現不可能とされた中期、後期のヒットナンバーを見事にライブで再生した。

「ビートルズファンなら必見ですよ。とにかく楽しめます。なぜあの時代にビートルズが必要だったのかが分りますよ」とオープン当日劇場前で語る川名氏

 そのパフォーマンスは単なるコピーの枠を超え、当時の象徴的な映像を盛り込むことで、60年代にトリップしながら、ビートルズ・サウンズをライブで存分に楽しめる作品に仕上げた。

 ビートルズに多大な影響を受けた音楽家は多いが、ブロードウエーの作曲家もビートルズの影響を大いに受けている。私個人も中学生の時にビートルズに出会い、大きな影響を受け、グローバルな夢を持つようになった。

 おそらくビートルズに出逢っていなかったら、ブロードウエーのプロデューサーにはなっていなかっただろう。ブロードウエーのシアターでビートルズのショーをプロデュースするのは私の長年の夢だった。今年、トニー賞を受賞したことで一つ夢を実現出来たが、今回の「レット・イット・ビー」のプロデュースでもう一つの夢も実現することができた。

(写真・三浦良一)

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