複数の海外メディアによると、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は今週、中国の北京を訪れ、同国最大の携帯電話会社、中国移動(チャイナ・モバイル)の奚国華会長と会談した。
具体的な目的については明らかになっていないが、中国移動の広報担当はメディアの取材に対して電子メールで「提携に関する協議が目的」と答えたという。
中国移動、iPhoneとiPadを販売か
クックCEOが中国を訪れるのはこれが3度目、そして奚国華会長と会談するのは2度目だ。アップルの「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」は、同国第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)と第3位の中国電信(チャイナ・テレコム)がすでに販売しているが、中国移動はまだ取り扱っていない。
もし両社の提携が実現すれば、双方にとって大きなメリットが生まれると言われている。
クックCEOはかねて中国を米国に次ぐ重要市場と考えており、同国での販売に力を入れている。だが、今年4~6月における香港と台湾を含めたグレーターチャイナの売上高は前期比で43%減、前年同期比で14%減と落ち込んだ。
英ロイター通信によれば、安価な端末を販売する地元メーカーとアップルとの技術力の差が縮まっており、アップルにとっては憂慮すべき事態となっている。
一方の中国移動は同国で7億4000万人の加入者を抱える携帯電話サービスの最大手。だが、同社の加入者で第3世代(3G)通信サービスを利用している人の割合は20%未満。
メッセージのやりとりは、従来型携帯電話で短い文字メッセージを送受信するショートメッセージサービス(SMS)が中心となっている。