ファッションなどの高級ブランド、仏イヴ・サンローラン・グループの前最高経営責任者(CEO)であるポール・ドヌーヴ氏を、米アップルがバイスプレジデントとして迎え入れたというニュースが話題を呼んでいる。

 このニュース、最初に伝えたのは米アップルインサイダー。当初は同サイトに寄せられた噂の情報がもとのニュースだったが、米ブルームバーグが後にアップルに確認を取り、その事実が分かったという。

 これに先立ち、仏ケリング(旧PPR)が子会社であるイヴ・サンローランの新CEOを任命したと発表していた。この時ケリングは、「ドヌーヴ氏はテクノロジー業界でキャリアを追求するため退職する」と説明していたが、それがアップルだったとは驚きだと海外メディアは報じている。

ティム・クックCEOの直属に、役職は謎のまま

米アップルのアプリ配信250億件突破

ポール・ドヌーヴ氏はアップルにどんなインパクトをもたらすのか?〔AFPBB News

 ただしドヌーヴ氏のアップルにおける職務はまだ謎。アップルは声明で、同氏が「ティム・クックCEO直属の特別プロジェクトを担当するバイスプレジデントに就任する」と述べたというが、具体的なことは分かっていない。

 アップルについてはここのところ話題が尽きない。先ごろは米メディアが「アイフォーン(iPhone)」の次のモデルは今年9月20日に発売されるという予測報道をした。

 7月2日には、同社が日本やロシアで、腕時計型インターネット端末と目される「iWatch」の商標登録を申請したと報じられ、その翌日には同様の申請が、台湾、メキシコ、コロンビア、チリでもあったと伝えられた。

 アップルの製品と言えば、ここ数年は価格が低下傾向にあり、一時に比べると値頃感がある。最近は、新興国市場向けに廉価版のアイフォーンを準備しているとも伝えられている。だが同社の本質はデザインや素材にこだわった高機能製品を開発、製造するメーカーだ。

 こうしたことから、腕時計型端末や、新型アイフォーン、高性能パソコンを販売するうえで、ドヌーヴ氏の起用は理にかなっているとも言われている。