ソフトウエア世界最大手の会社で7000人が所属する事業部門のトップを務め、自身が手がけたゲーム機は8年ぶりに新製品が発売になる。そんな大物幹部が突如辞任し、経営不振で苦しんでいる従業員2000人の会社のトップを務めることになった――。こうしたニュースが海外メディアで話題になっている。

 ソーシャルゲームの米ジンガは7月1日、同社の最高経営責任者(CEO)に、米マイクロソフトでエンターテインメント事業のトップを務めるドン・マトリック氏を任命したと発表した。同氏は1週間後の7月8日にジンガのCEOに就任し、取締役会にも加わるという。

Xbox事業の世界展開に貢献した人物

米マイクロソフト、次世代ゲーム機「Xbox One」を発表

今年5月に発表された「Xbox One」〔AFPBB News

 このマトリック氏とはゲーム大手の米エレクトロニック・アーツ(EA)で「ザ・シムズ 」や「ハリー・ポッター」といったヒットゲームを手がけた人物。

 2007年にマイクロソフトに入社した後、ゲーム機「エックスボックス(Xbox)360」の世界事業展開が成功したことが評価され、2010年、インタラクティブエンターテインメント事業担当プレジデントに就任した。

 それ以来同氏はゲーム、映像、音楽コンテンツを含む、エンターテインメント製品・サービスの開発事業を統括してきた。また今年11月にはエックスボックスの次世代機「エックスボックス・ワン」が発売されることになっている。

 マイクロソフトについては、先月、スティーブ・バルマーCEOが経営幹部の役職再編を計画していると報じられ、その対象にマトリック氏も入っていた。

 バルマーCEOは「コンピューティングデバイスとインターネットベースのサービスに注力していく」という戦略を明らかにしている。こうしたことからマトリック氏の存在はマイクロソフトの事業展開にとって重要と見られていた。

 同氏のジンガへの移籍はそうしたタイミングで発表された。