南国新聞 2013年5月30日

 マレーシア・イスラム教徒消費者協会がこのほど、中国から輸入されることになっている骨なし冷凍鶏肉を積載したコンテナ98個分の陸揚げを、中止するよう当局に要求した。

 この積荷に対するH7N9型インフルエンザ・ウィルス検査が適切に行われていないので、輸入するのを認めるべきではないというのがその理由だ。

 畜産事業局はさきに、それぞれの積荷に対するウィルス検査を実施してから陸揚げを中止するかどうかを決めるとの声明を出している。

 しかし、同協会のマアモール・オスマン事務局長は、「5月1日の時点で中国でのH7N9型インフルエンザ・ウィルス感染による死者が26人となり、感染者は127人を数える状況になっていることを考慮すれば、中国産鶏肉の陸揚げを無条件で禁止するのは当然の措置」と主張している。

 マアモール事務局長はまた、「ウィルスには潜伏する特性があり、検出するのが難しいことを考慮して、ベトナムやインドネシア、シンガポールなどの近隣国 は2006年以降、中国からの冷凍鶏肉の輸入禁止措置をとっている」として、「近隣国の例にならい、鳥インフルエンザの流行を未然に阻止するためにも中国 からの鶏肉輸入を凍結するとともに、農業・第一次産業省がマレーシアに到着した冷凍鶏肉を即刻中国に送り返す措置をとるよう希望している。予防に勝る治療法はないのだから」と強調した。

(5月9日The star)

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