低迷するパソコン市場を回復をさせるべく米マイクロソフトが取った施策は、大変気前のよいもの、と言えそうだ。現在、台湾で「台北国際コンピュータ見本市(コンピューテックス)」が開催されているが、その会場で同社の幹部が基本ソフト(OS)の現行版「ウィンドウズ8」のパソコンメーカー向け販売価格について、大幅に値下げしたことを認めたと海外メディアが報じている。
小型タブレットのOSを100ドル引き下げ
報道によると、値下げの対象は画面サイズが7~10.1インチの小型タブレット端末。
ウィンドウズの現行版には、従来型パソコンに採用される「x86」規格のプロセッサーに対応した「ウィンドウズ8」と、スマートフォンやアイパッドなどのタブレット端末に採用される「ARM」規格のプロセッサーに対応した「ウィンドウズRT」がある。
米コンピューターワールドによると、マイクロソフトはこの2つのいずれもを値下げしており、一部のメーカーには今年の4月から価格を下げている。
ちょうどコンピューテックスで台湾エイサーが、価格が379ドルからと低価格の8インチタブレット「ICONIA W3」を発表しているが、こうした製品が値下げの対象になっていると見られている。
マイクロソフトはどの程度値下げしたかを明らかにしていないが、米ウォールストリート・ジャーナルは事情に詳しい関係者の話として「(値下げ幅は)約100ドルで、従来価格の3分の2」と伝えている。
「オフィスを無料で差し上げます」
マイクロソフトの気前の良さがこれだけではないこともほかの幹部のコメントから明らかになっている。それによるとワープロや表計算ソフトなどが入ったパッケージソフト「オフィス」の家庭、学生向けバージョンを今後はウィンドウズ8搭載小型タブレットに無料で付けるという。
なおこの「オフィス」の家庭、学生向けバージョンはこれまで無料でウィンドウズRTに付けていたが、このバージョンのオフィスには電子メールソフト「アウトルック」が入っていない。そこで今後はウィンドウズRTにアウトルックを無料で付けるという。