米アマゾン・ドットコムは先週、同社のタブレット端末のうち上位バージョンの「キンドルファイア(Kindle Fire)HD」を世界170以上の国、地域の顧客に販売すると発表した。この端末は現在、米国、日本、英国など7カ国のみで販売しているが、今後その対象地域を大きく広げる。
アイルランドやジブラルタル、オーストリア、ルクセンブルクといった一部の国、地域では隣国の英国、ドイツのアマゾンサイトで販売するが、ほかは米国サイトで販売するという。一部の国を除きすでに予約受付を開始しており、6月13日から出荷を始める予定だ。
端末、アプリともに世界展開を加速
またアマゾンは併せて、キンドルファイアHDや、アンドロイド搭載端末で利用できるアプリのオンラインストアを世界の約200カ国で始めることも明らかにした。
この「アマゾン・アップストア・フォー・アンドロイド(Amazon Appstore for Android)」は2011年3月に米国で開始したサービス。こちらもキンドルファイア同様にこれまで米国、日本、英国など7カ国で展開していた。
だが、この5月には中国で開始し、まもなくブラジルでも始める予定。これに先立つ今年4月にアマゾンはこのストアの世界展開を発表しており、専用ポータルを立ち上げて、開発者や企業からアプリの登録を受け付けていた。
7インチモデルは214ドルから
キンドルファイアHDは、画面サイズが7インチのモデルと8.9インチのモデルがあるが、いずれのモデルも世界展開する。価格は、前者のストレージ容量16ギガバイトのモデルが214ドル、後者の16ギガバイトのモデルが284ドル。
米国では、スクリーンセーバーなどに広告を表示する代わりに価格が15ドル安くなる特別モデルや、8.9インチ型でLTE対応モデルを用意しているが、海外モデルにはこれらはないもようだ。
いずれにしてもこれでキンドルファイアの世界展開が加速することになる。