米アマゾン・ドットコムが中国でアプリの配信ストアを開設したと米ウォールストリート・ジャーナルや英ロイター通信などの海外の報道機関が伝えている。
アマゾンは電子書籍端末の「キンドル」やタブレット端末の「キンドル・ファイア」をまだ中国で発売していない。だが今回のアプリ配信ストアの開設は、まもなく同社がこれらの端末を発売することを示唆しており、中国市場における販売強化に向けた布石ではないかという見方が広がっている。
電子書籍ストアやクラウドサービスも開始
アマゾンは昨年12月に電子書籍ストアを中国で開設したばかり。また数カ月前には同国でクラウドストレージサービスも始めている。アマゾンが同国で自社ブランド名のネット通販事業を始めたのは2011年のこと。
それ以来同国で販売強化を図ってきたが、同社の市場シェアはわずか3%未満にとどまっている。アリババ(阿里巴巴)グループなどの競合大手に押され、苦戦を強いられているという。
アマゾンが今回開設したのは、米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末向けアプリのオンラインストア「アマゾン・アップストア・フォー・アンドロイド(Amazon Appstore for Android)」の中国版「亞馬遜應用商店」。
これに先立ち同社は、アマゾン・アップストア・フォー・アンドロイドの世界展開計画を発表していた。同サービスは2011年3月に米国で始めたものだが、昨年夏には対象国を英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペインに拡大し、11月には日本でも開始した。
アマゾンはこれを今後数カ月かけて世界の約200カ国で始める計画だ。先の発表では具体的に中国の名を挙げていなかったが、同社はこの計画を真っ先に中国で進めたようだ。