「アメリカの高校生ってどんな感じなんだろう。流行り言葉で話して何を言っているか分からないかも。第一私は相手にされるのだろうか・・・」

 初めて高校生たちとのミーティングに向かうバスの中で、私の心の中には不安が渦巻いていました。

 前回の記事で紹介したコミュニティーグループ、Make the Road New York(MRNY)には、主に高校生を対象としたユースパワープロジェクト(Youth Power Project、YPP)という活動があります。若者の政治参加を現場で知りたいと思い、今年の1月からこのYPPで活動をさせてもらっています。

ブルックリンの高校生が自分たちのために取り組む政治活動

 YPPのメンバーは、地元ブルックリンに住む高校生たちです。学校が終わると続々とYPPのオフィスにメンバーがやって来ます。

 “YO! What’s up man?(よお、元気かよ?)” “Hey man!(おう!)”

 オフィスの一角にある高校の部室のようなスペースで、メンバーたちは話したり、じゃれあったりしています。流行の音楽を聞いたり、オフィスのパソコンでフェイスブックをチェックしたり。

キャンペーン用の手作りバッジを作る高校生たち(写真提供:筆者、以下同)

 高校生がだんだん増えて盛り上がってきたところで、ユースオーガナイザーのホセが登場。

 “YO! Let’s get started!(さあ、始めるぜ!)”

 現在YPPの活動テーマは主に3つあります。1つはニューヨーク市の公立高校の教育内容の見直し。2つ目は、幼い頃に両親に連れられてアメリカにやって来た移民の子供たちが米国市民と同じように大学に行ける政策を推進する Dream Act という活動。

 そして3つ目はニューヨーク市警察が黒人やヒスパニックの若者をターゲットに路上で職務質問や身体検査を頻繁に行うことを是正させる活動です。