米中戦略・経済対話が閉幕、多分野での協力強化で一致

欧米メディアにも高い評価を得た王岐山氏は職能・抜擢型の代表格〔AFPBB News〕

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● 職能・抜擢型(31名)

 特定の行政組織・職能分野で頭角を現した後、キャリア途中で政治抜擢され、他の分野でも活躍するケース。この集団からは政治局委員が5人、王岐山、兪正声、張高麗など政治局常務委員が4人も出ている。ほぼ3人に1人が政治局委員という超エリート集団だ。

● 職能・一筋型(56名)

 特定の行政組織・職能分野において一貫して勤務し、関係組織のトップポストに就任するケースだが、この集団からの政治局入りは2人しかいない。基本的に、このような「叩き上げ」集団からは「国家レベル指導者」をリクルートしないということなのだろうか。

●地方・抜擢型(69名)

 ある地方の党・行政組織で長く勤めた後、キャリア途中で政治抜擢され転職するケース。この集団の特徴は政治局委員以上を12名も輩出していることだろう。全体の人数が多いから当然だろうが、政治局常務委員は習近平と張徳江の2名、残りの10名が政治局委員だ。

● 地方・一筋型(8名)

 特定の地方で一貫して勤務し、同地方の行政・党組織トップに就任するケースだが、意外に人数は少ない。当然ながら、政治局委員以上は1人もいない。基本的に、彼らは地方政治家で終わる集団なのだろう。

中央委員で終わる人

 それでは中央委員を最後に引退する党幹部とは一体どのような人たちだろうか。

● 軍人の大多数

 41名中の大半は「中央委員」止まりだろう。他方、彼らの一部は政治局委員ではなく、中央軍事委員会の委員となり、解放軍の中でより重要な役割を果たしている。軍人にとって中央委員会や政治局などは必ずしも重要な組織ではないのかもしれない。

● 職能・一筋型の大半

 56名中で政治局入りしたのは劉雲山と王滬寧の2人だけであり、この種の職能代表型「叩き上げ」集団の大半は中央委員止まりだ。中でも一番多いのは「党官僚」集団であり、それぞれが航空、金融、会計、外交、経済、宣伝、司法、学界など様々な分野を代表している。

 逆に言えば、外国人に馴染みの深い外交担当の戴秉国国務委員や楊潔篪外交部長なども政治局委員ではなく、単なる中央委員であって、当然党内序列も低い。米国務長官は米国政府のナンバー3であり、日本の外務大臣も、多くの場合、内閣のナンバー2、ナンバー3であることとは大違い。このギャップは日本でも意外に知られていない。