在沖米海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂ氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。東日本大震災の被災者に今も続けられる米軍の支援・交流活動を取り上げたほか、尖閣諸島をめぐる日中関係や沖縄のオスプレイ配備問題などについて語った。

東日本大震災で生かされた阪神・淡路大震災の教訓

中山 今回は在沖米海兵隊外交政策部次長のロバート・エルドリッヂさんにお話を伺います。1月17日で阪神・淡路大震災から18年が経ちましたが、エルドリッヂさんはこの18年を振り返っていかがですか。

エルドリッヂ 阪神・淡路大震災の発生当時、私は大阪府豊中市に住んでいましたが、幸い大きな被害は受けませんでした。

 米国の友人たちは「不運な目に遭ってしまったね」と心配してくれましたが、私は日本人と辛い体験を分かち合ったことが忘れられないし、それを乗り越える国民の姿を見たことはかけがえのない思い出です。

 震災後はボランティア活動に励み、新しい仲間と出会うこともできました。神戸の復興過程をこの目で見てきてつくづく思うのは、日本はすごい国だということです。

対米好感度が大幅に向上、震災支援で 米調査

青森県三沢市で、東日本大震災の津波で流された車を引っ張る米海軍兵や地元住民たち(2011年3月19日撮影)〔AFPBB News

中山 一昨年は東日本大震災が発生しました。あの時、米軍が「トモダチ作戦」による救助・救援で多くの人道的支援をしてくれたことに我々日本人は心から感謝しています。

エルドリッヂ 私自身も「トモダチ作戦」に直接携わり、日本への支援を行うことができて光栄でした。この国に少しでも恩返しできたことが何よりも嬉しいのです。

 実は今も被災地の方々とは交流が続いていて、毎日のように情報共有や異文化間の交流を行っています。ここで新たな友好関係を築くことができたのも大きな財産です。

中山 ある意味で「トモダチ作戦」は継続されているんですね。聞くところによると、被災地の子どもたちが米海軍兵士の家庭にホームステイをするプログラムも実施しているとか。

エルドリッヂ はい。これは震災発生から4日後の3月15日に企画しました。実は阪神・淡路大震災の時、被災者の方々が政府から十分な支援を受けられないという状況がありました。その教訓を踏まえて、私は司令官たちにこう伝えたのです。

 「米軍はできるだけ長く被災者の皆さんと交流をしましょう。特に心のケアについては最後までしっかりと行うべきです」と。そこから始まった取り組みが、今も続いています。