米アマゾン・ドットコムが同社のネットショッピングサイトなどに導入しているオンライン広告が、やがてはグーグルのビジネスを脅かす可能性があると、海外メディアが報じて話題になっている。
アマゾンは現在、ウェブサイトのトップページや検索結果画面でバナー広告を表示したり、ユーザーの買い物情報などに基づいて外部のウェブサイトに広告を表示したりしている。
ショッピング検索でグーグルを上回る
これらアマゾンの広告事業の年間売上高は現在5億ドル程度で、480億ドルという同社全体の売り上げ規模に比べると小さい。
たが、アナリストによると、アマゾンの広告は消費者が欲しいものを検索したり、実際に購入したりした商品データをもとに表示するため、関連性が高いと評価されている。
今年7~9月期にオンラインで買い物をした人の中で、最初にアマゾンで商品検索した人の割合は30%。これに対しグーグルの検索を最初に使ったという人の割合は13%だった。アマゾンとグーグルのショッピング関連検索における利用割合は2年前から逆転しているという。
米サンノゼマーキュリーニュースによると、アマゾンは世の中のあらゆる商品を1カ所で買えるワンストップのショッピングサイトを目指している。一方でグーグルは世の中のあらゆる情報を1カ所で調べられるワンストップのネットサービスを目指してる。
一見すると両社の狙いは異なる。しかしデジタルコンテンツや商品検索など、それぞれの事業範囲が拡大している今、その対立構図はかつてないほど鮮明になっている。
Kindleを生み出したグーグルのデジタル化構想
米ウォールストリート・ジャーナルは、アマゾンとグーグルのライバル関係は、グーグルが10年以上前に商品情報をスキャンし、デジタルカタログ化しようと構想した時から始まったと伝えている。
印刷書籍のネット通販を主力事業としていたアマゾンはグーグルのこの動きに自社のビジネスが脅かされると危機感を覚えた。これがきっかけとなってアマゾンは自社でも印刷書籍のデジタル化を始め、利用者が購入前に書籍の内容を検索、閲覧できるようにした。