こちら米国では、明日の国家再建に向けてオバマ大統領が再選を決め(国民健康保険の「オバマ・ケア」、よろしくおねがいしますよ!)、つい先日には来年1月のゴールデングローブ賞のノミネートも発表された(ブラッドレイ・クーパー主演の『シルバー・ライニングス・プレイブック』がしっかり作品賞にノミネートされていて満足!)。
数億羽のターキーが全米で食されたサンクスギビングも、「SALE」の大広告を出した店の前にできた行列を見て思わず「これでも不景気と言えるのか?」と呟かずにはいられなかったブラックフライデーも過ぎ去った(毎年この日に大特価で売り出されるユニバーサル・スタジオの年間パスを買おうと思っていて忘れた)。
雪のまったく降らないロサンゼルスでも、この時期に車を走らせていると街の所々にクリスマスツリーの展示即売場のようなものが出現しているのを発見できる。昼間は半袖でいられるくらい暖かく、いつものように入道雲の出た青空の下、こうして並べられたクリスマスツリーほど場違い感を演出するアイテムも多くはないだろう。
ただしロサンゼルスも砂漠の気候だけに、夜は冷える。ダウンジャケットを着ている人を見かけることもたまにある。たまに見かけると言えば、ついこの間、夜中に思い立ってフェアファックス通りにあるMr. Pizzaまでピザを食べに行くことになったのだが、通りの向かい側で『HEROES』の「やったー」で有名な日系アメリカ人俳優のマシ・オカを見掛けた。アジア系の彼女を連れていた。僕らが英語で声を掛けると、一瞬びくっとした様子を見せながらも流暢な日本語で応答してくれた。
とにかく、ロサンゼルスの街もネオンや音楽を駆使してクリスマス仕様100%なのである。
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僕は今年の6月をローマ、7月をパリで過ごしながら彼の地のコリアタウンを取材した。
この連載では今、ちょうどローマからパリへ移動しようとするあたりのことを書いている。
少しの間、時間と季節感を巻き戻して読んでいただけたなら幸いだ。
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