第18回共産党大会は終わったが、中国の党・政府主要ポスト人事はまだ収斂していない。今次党大会で運悪く要職にあぶれた面々は、恐らく来年3月の全国人民大会(全人代)までの敗者復活戦で捲土重来を期すのだろう。

 日本マスコミの関心事は「習近平は反日か」とか、「日中関係は悪化するか」ばかり。申し訳ないが、筆者にはどうもピンとこない。今回の「全国代表大会」により中国共産党は変質したのか、そうだとすれば、将来どちらの方向に進むのか。今筆者の関心はこの一点にある。(敬称略)

八千万党員をどう管理するか

「世界の工場」、中国が挑む自己改革

中国・浙江省の工場で、中国共産党の第18回党大会のテレビ中継を見る労働者〔AFPBB News

 「人民中国」という雑誌が意外に面白い。月1回日本語で発行される中国政府系の「硬い」刊行物だが、時々興味深い記事がある。

 最近では2012年10、11月号に掲載された「中国共産党はなぜ八千万人党員を管理できるのか」という小論が面白かった。

 書いたのは謝春濤教授、共産党中央党校の党史研究部副主任だそうだ。同教授によれば、中国共産党が優れているのは、組織化を進め、党組織・党員の先進性を維持し、思想・理論の構築を重視し、意見を聞いて執政方式と政策を絶えず改善するからだという。

 確かに党規約によれば、企業、農村、政府機関、学校、研究所、住宅区、社会団体、人民解放軍の中隊などで党員が3人以上いれば、すべて党の末端組織を結成しなければならない。謝教授によれば、2010年末現在この末端組織が全国で380万以上もあるそうだ。

 北京に在勤していた頃、休日市内の小さな路地を散歩すると、「住宅区」ごとにそれぞれ共産党委員会の小さな事務所があったことを思い出す。当然ながら、日本でこれだけ多くの末端組織を維持している政党はない。

後期高齢者が続々入党

 共産党が絶えず旺盛な活力と戦闘力を保てるのは一貫して先進分子の入党を重視してきたからだと謝教授は説明するが、そこはちょっと腑に落ちない。今や党の公式見解では説明できない事態が党内で顕在化しつつあるのではないか。これが最近の筆者の見立てだ。

 例えば、こんな記事を見つけた。今回の党大会に合わせ、多くの高齢者が共産党入党を認められたという。同記事によれば、「党幹部の腐敗などで最近、共産党の求心力は急速に低下」しており、「高齢者の相次ぐ入党」を報じて、民衆の支持をアピールしているのだそうだ。