11月4日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、ゲストに2人の若者を迎えた。今回は、さまざまな時事問題に関する中山氏の解説の中から大阪都の区割り案を取り上げるほか、高津理容美容専門学校の白川まりあさん、中谷圭吾さんとのゲストトークをお伝えする。
堺市を無視した大阪都構想の区割り案とメディア報道
中山 橋下(徹)大阪市長が掲げる大阪都構想をめぐり、市を解体して設ける特別区の区割りについて、公募区長のプロジェクトチームが素案をまとめたと各メディアが報じました。
市内24区を5区または7区に再編するこの素案を橋下市長は評価したそうですが、どのメディアも指摘していない点があります。
大阪府下には、大阪市と堺市の2つの政令指定都市があります。しかし、堺市に関してはどのメディアも一切言及していません。
仮に大阪市内の区割りができたとして、府と市を合併して大阪都を作ろうとしても、政令指定都市である堺市が都政に反対したら円滑に事が進まない可能性があるのです。
私は、大阪市内の区割りを変えることがイコール大阪都構想ではないと思います。
すなわち、大阪府という自治体を都に移行するプロセスがあって、はじめて大阪都構想と言えるのです。ですから、大阪市内の区割りを再編する素案の良否を評価する段階にはまだ至っていないのではないでしょうか。
メディアの側の取り上げ方にも問題があると思います。1つのポイントだけをフォーカスして取り上げるのではなく、読者がもっとマクロに物事を見ることのできる目を育むこと。それがメディアに求められる役割です。
昔から、大阪出身の有識者を中心として大阪の府市再編には様々な意見がありました。しかし、公募区長が検討している今回の区割り案を見ていると、大阪市だけに偏っていると思わずにはいられません。
改革を上手く進めるためには、もっと周囲の自治体とも話し合いを重ねるべきだと思います。