GMのハマー売却先、中国・四川省の重機メーカー

中国企業が食指を伸ばした米ゼネラル・モーターズ(GM)「ハマー」〔AFPBB News〕

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 世界中の富が集まり、あり余る資金を誇り、屈指の経済大国となった中国。最終的には当局の許可が得られず、ご破算となったが、世界的には無名の四川騰中重工機械(四川省)による米ゼネラル・モーターズ(GM)のスポーツ用多目的車(SUV)ブランド「ハマー」の買収劇など、チャイナマネーの威力にはこのところ驚かされることばかりだ。

 その気になれば、買えないものなどない――。そう思えるほどの凄まじい購買力である。それゆえに中国人と思しき影が動けば、何がしかの疑心に満ちた噂が広がるという事の流れは、もはや致し方ないことなのかもしれない。

「ワンサカ娘」で一世風靡した名門が・・・最後は中国企業の傘下に

 そうした中、また一つ日本企業が中国企業の傘下に入ることになった。経営再建中の大手アパレルメーカー、レナウンである。

 ♪ドライブウエイに春が来りゃ イェイ イェイ イェイ イェイ・・・

 高度経済成長期の1960年代、レナウンはこの歌詞で始まる「レナウン ワンサカ娘」のCMで一世を風靡した。しかし名門企業もバブル経済崩壊後は元気がなく、業績の低迷が続いてきた。

 主力となり得る若者向けの新ブランドが育たない中、既存商品も思うように売れない。百貨店向けの高級品を主体に販売してきたが、長引く不況に加え、ユニクロをはじめとするファストファッションの台頭などで百貨店自体に顧客が足を運ばなくなった。

レナウン、英「アクアスキュータム」売却へ

レナウンが売却した英国の高級ブランド「アクアスキュータム」〔AFPBB News

 買収した英国の名門ブランド「アクアスキュータム」なども業績回復の救世主とはならず、その後、こうした主力ブランドの売却などリストラを進めてきた。だが、もはや焼け石に水。最近では2010年2月期まで3年連続で営業赤字の計上を余儀なくされていた。

 見る影もない経営状況に陥り、喘ぎ苦しむ名門企業は熟考の末、最後の決断を下した。それが中国企業の傘下入りである。