鳩山首相、辞意表明 小沢幹事長にも辞任求める

辞任を表明した鳩山首相〔AFPBB News

菅氏、民主党代表選への出馬を表明

民主党代表選後、菅政権が誕生?(参考写真)〔AFPBB News

 2010年6月2日、首相・鳩山由紀夫が辞任を表明した。「宇宙人」も最後は人間として、政治家として常識的な判断を下したようだ。政治は結果責任である。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で自らが掲げた公約を守れず、国民の信頼を失った首相の下で、民主党が7月に迫る参院選を戦えるわけがない。民意に逆らうことはできなかったのだ。

 今後のテーマは、鳩山辞任後の新政権で民主党がどう生まれ変わるかに尽きる。焦点は「小沢支配」が続くか否かだ。この点、筆者は悲観的である。後継首相は副総理兼財務相の菅直人だろうが、結局は幹事長・小沢一郎が辞任しても、新政権は何らかの形で選挙や党務を含めて小沢に頼らざるを得ない。小沢は「闇将軍」としてなお君臨し、民主党の体質はさほど変わらないと見る。(敬称略)

 前回、当コラムで「政局緊迫、民主にも鳩山退陣論」と書いた後、民主党内の鳩山退陣論が参院議員の改選組を中心に一気に噴出した。鳩山が小沢と民主党参院議員会長・輿石東と2度にわたり会談し、政局は一気に緊迫化した。退陣を迫る小沢、輿石に対して、鳩山は続投に意欲を示し、一時は「時間切れ逃げ切り」ともささやかれた。しかし最終的に、鳩山は退陣を決断した上で小沢も幹事長を辞任する幕引きとなった。

「親指立て」は何だったのか? 憶測が飛び交った永田町

 その舞台裏を報道各社が検証しているが、鳩山がいつ辞任を決断したのか、あるいは3者会談の詳細はどのようなものであったか、真相はまだ定かではない。

 話題になっているのは、6月1日の2度目の3者会談の後。小沢、輿石が憮然とした表情で部屋を出た。一方、鳩山は「続投ですか」との記者団の質問に対し、笑みを浮かべて左手の親指を立ててみせた。

 テレビで何度も繰り返し放映された、あの「サムアップ」は一体何だったのか。永田町では様々な憶測を呼んだ。