マット安川 今回のゲストは自民党・衆議院議員の平沢勝栄さん。総裁選候補5人全員が世襲議員であったことや執行部のメンバーについて、「政権交代前の自民党とあまり変わってない」、とずばり。拉致問題、現閣僚についても厳しい見解をお話しいただきました。

世襲議員ばかりでは自民党は滅びる。幅広い人材登用を

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:平沢勝栄/前田せいめい撮影平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏
衆議院議員(自由民主党副幹事長、衆議院内閣委員会理事) テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区柴又在住。『もう黙っていられない!』(徳間書店刊)『政治家は楽な商売じゃない』(集英社刊)『拉致問題』(PHP研究所刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

平沢 今回の自民党総裁選では、安倍(晋三、元首相)さんが選ばれたわけで、私たちは安倍さんの下に結束してやらなければなりません。

 ただ、今回出た5人はいずれも2世、3世なんですよね。それについていろんな批判がありました。自民党にはほかにまだいい人がいるんですけど、なかなか出られないんです。やはり20人の推薦人を集めるというのはたいへんで、一匹狼で出てきた人たちはなかなか出にくい。

 それから今回引退される方が多いんですけど、山崎拓(元副総裁)さんを除いてほとんどの方は自分のご子息を後継として出される。そういったのを見ると、自民党というのは何か特定のファミリーのものになってしまっているのではないかという気もします。

 世襲議員だけになったら自民党は終わりです。もっともっと幅広く人材を集める努力をしないといけないなと思います。

 もちろん、世襲だから絶対ダメということではありません。しっかり頑張っている人もいる。ただ、2世の一つの大きな問題は、挫折や苦労を知らないことです。そこを、周りに置く人材でカバーするくらいのことをやってもらいたい。

 誰が総理になるにせよ、例えば安倍さんがなるにせよ、私が言っているのは、お友だちで固めちゃダメですよと。同じ考えの人だけではなく、意見の違う人も入れてしっかりとしたチームをつくらないといけない。

 しかし自民党の執行部は、総裁選挙の時のいわば自分たちのグループで最も活躍してくれた人たちを抜擢しました。全党的に人材を求めて最強の執行部をつくればよかったと思いますけど、事実上仲良しグループになっている。そのポストに適任の、誰もが納得のいく人事をやらないと必ずシコリが残るんです。

次の選挙で勝てるとは限らない。勘違いせず謙虚になれ

 自民党は今、勘違いしています。次の選挙で自民党が勝てるとは限りません。しかし、メディアも含めて自民党の多くの人が、次の選挙では自民党が勝つんじゃないかと思っている。