そして、その背景には、韓国サムスン電子や、グーグル、アマゾンなどによって小型タブレットの市場が切り開かれたことがあると言われている。
例えばサムスン電子の「ギャラクシーノート(Galaxy Note)」はスマートフォンながら5.3インチのディスプレイを搭載しており、タブレットのように利用できる。
グーグルが今年7月に発売した「ネクサス(Nexus)7」はその名の通り7インチ型。アマゾンのキンドル・ファイアも主力モデルは7インチだ。
こうした、片手で持っても操作しやすく、上着のポケットにも入れられる小型端末がビジネスパーソンには打ってつけと今、好評なのだ。
アップルは断トツだが、成長率はサムスンが上
米IDCの調査によると、今年4~6月期におけるタブレット端末の出荷台数はアップルが1700万台。同社は68.2%の市場シェアを獲得し、首位を維持している。これに対し2位のサムスンの台数は239万台で、シェアはまだ9.6%という程度。
しかしアップルの1年前からの出荷台数伸び率が84.3%であるのに対し、サムスンは117.6%と約2.2倍に伸びている。また4位の台湾アスーステック・コンピューター(ASUS)も1年前から2倍強と高い伸びを示している。
アスーステックのシェアは3.4%で、こちらもアップルに比べればまだ規模は小さい。しかし、同社はグーグルのネクサス7を製造しており、この数値が反映される7~9月期の調査結果が注目されている。
アップルは1社でタブレット市場を築き上げ、業界をリードしてきた。しかしここに来て他社が同社を猛追している。とりわけアップルがこれまで手がけてこなかった小型モデルの隆盛で同社はシェアを奪われることになると指摘されている。
こうして見ると、アップルがアイパッド・ミニを市場投入するのは自然な流れ。ただし、アナリストらが予測する成否を分ける価格ポイントは300ドル。価格がこれより上回ると、高機能ながらわずか199ドルという安価なネクサス7に対抗できないと指摘されている。
