米国の市場調査会社コムスコアがまとめた調査によると、米アップルの新型スマートフォン「アイフォーン(iPhone)5」の米国におけるオンライン予約注文数は、受け付け開始からわずか3日間で、前モデルのアイフォーン4Sが1カ月かけて得た注文数とほぼ同じになったという。
「アップル史上最も有望な製品に」
これに先立ちアップルは、受け付け開始から24時間後の注文数がアイフォーン4Sの2倍に達したと報告していたが、コムスコアによるとアイフォーン5はアップル発表のこの数値よりもはるかに速いペースで売れている。
「(アイフォーン5は)製品発表からわずか1週間ほどという短い期間で同社史上最も有望な製品になった」とコムスコアは述べている。
同社はその要因はいくつかあるとして、代表的なものを2つ挙げている。1つは、スマートフォン市場の拡大だ。
例えば今年7月時点の米国のスマートフォン保有者数は、アップルが前モデルのアイフォーン4Sを発売した昨年10月時点から2400万人に増えている。こうした新規購入者に加え、買い替え需要も高まっており、市場は活況を呈しているという。
もう1つは、アイフォーン5が買い替え需要をアイフォーン4Sから奪ったためという。米国市場では毎年、クリスマス商戦のある10~12月期の反動で1~3月期は携帯電話の販売台数が落ち込み、その次の4~6月期で盛り返しを見せる。
しかし、今年の4~6月期は例年とは異なり減少に転じた。
アイフォーンの2世代前のモデル「4」を2年前の6月の発売時に購入したユーザーは、通信キャリアの2年間の契約拘束期間を4~6月期に終えているため、本来であればこの期間にその時点の最新モデル「4S」に買い替える。
ところがこの頃からアイフォーン5の噂が流れ出し、多くの顧客が新モデルの登場を待って買い控えた。コムスコアはその数は膨大だったと推測している。