米インテルは7日、先に明らかにしていた7~9月期の業績予想を下方修正した。同社は7月に行った前期の決算発表で7~9月期の売上高を138億~148億ドルと予想していたが、これを129億~135億ドルに引き下げた。また先に報告していた2012年通期の業績見通しは撤回した。
法人向けパソコンや新興国の需要が鈍化
「厳しいマクロ経済環境で、需要が予想より鈍化している」というのが理由だが、具体的には(1)同社の顧客であるパソコンメーカーが在庫を削減していること、(2)法人向けパソコン市場が軟調に推移していること、(3)新興国市場の需要が鈍化していること、の3つの要因があるようだ。
これに先立って、パソコン大手の米ヒューレット・パッカード(HP)と米デルが5~7月期の決算を発表しており、それぞれ内容が芳しくなかった。
このことからインテルは業績予想を下方修正せざるを得なくなるとアナリストらは見ていたが、米ニューヨーク・タイムズによると、今回の引き下げ幅は予想以上に大きく、アナリストらを驚かせている。
また売り上げの減少に伴いインテルは7~9月期の粗利益率予想を従来の63%(増減幅2ポイント)から62%(同1ポイント)に修正し、予想レンジの上限を2ポイント引き下げている。
今年のパソコン出荷台数、0.9%増にとどまる
スマートフォンやタブレットなど小型端末の隆盛でパソコンの買い控えが起こっていることは以前から言われていたこと。だがアナリストらは米マイクロソフトが新たな基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」を市場投入することからパソコン市場は今年後半に持ち直すと予想していた。
しかし今回のインテルの発表は、そのことが現実ではなくなってきたことを示唆している。
というのもインテルが7~9月に出荷するマイクロプロセッサーが製品に組み込まれて市場に出回るのは10~12月期。つまり7~9月期におけるインテルの売り上げ減は、10~12月期のパソコン出荷台数減を意味する。
もちろんパソコンメーカーはマイクロプロセッサーの在庫を持っており、それらを使ってパソコンを製造することも考えられる。