米アマゾン・ドットコムは先週、同社のタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」が売り切れになったと発表した。
ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、「販売開始からほぼ1年、キンドル・ファイアは当社史上最大のヒット商品となり、米国のタブレット端末市場で22%のシェアを獲得するまでになった」とし、「(キンドル・ファイアは)完売となったが我々は今後も心躍るような計画があり、最高のハードウエアやサービスをベストな価格で提供していく」と説明した。
これに先立ち、アマゾンは米カリフォルニア州サンタモニカで9月6日に開催するイベントの招待状をメディア関係者に送っており、このイベントで年末商戦に向けた新モデルを発表すると見られている。
過去最大のヒット商品であれば単に製造を続けていればよく、完売させる必要はない。おそらく既に新モデルの製造が進んでおり、発売は間近。それよりも一足先に旧モデルの在庫が切れてしまったと見るのが妥当のようだ。
1年で様変わりしたタブレット市場
アマゾンがキンドル・ファイアの販売を始めたのは昨年の9月28日。出荷は11月14日に開始した。
同社は端末の具体的な販売台数を公表しないことで知られるが、米IDCが行った市場調査によると、キンドル・ファイアは発売直後の昨年10~12月期に480万台を出荷、世界のタブレット市場で16.8%のシェアを獲得し、米アップルの「アイパッド(iPad)」に次ぐ人気商品となった。
ところが次の四半期は年末商戦の反動が出たのか70万台に激減。シェアも4%を若干上回る程度まで落ち込んだ。今年4~6月には120万台と若干盛り返しを見せたものの、今期(7~9月期)については大きな躍進はないものと見られている。