前回前々回は孫子の兵法に倣って具体的な恋愛戦略を考え、これまでに「おまけ戦略」「暗闇効果戦略」「秘密の共有戦略」「戦略的服従戦略」「補完性戦略」など9つの戦略を紹介してきました。今回は全15戦略の残り6つを紹介しましょう。

戦略その10「譲歩的説得法」

(例)「今度、温泉でも行かない?」「いや」「それじゃあ、今度、遊園地に行こうよ」「いや」「それじゃあ、今度、ランチならいいでしょ」「それなら、まあいいかも」
(推奨度**

相手に罪悪感を与えて譲歩を引き出す

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まずあり得ない温泉に誘って、次第に要求を小さくしていく〔AFPBB News

 「譲歩的説得法」とは、「大きい要求から次第に小さい要求をすることによって、小さい要求にノーと言わせないテクニック」のことで、最初に相手の期待を裏切ったという心理状態を意図的に作ることによって、次の本命の要求を受け入れさせる目的を持ちます。

 英語名を「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」と言います。もちろん、セールス戦略から生まれた戦略で、押しの強い肉食系男子が使うもので、草食系男子には高度なテクニックになります。

 上記の例からも分かる通り、冗談なのか本気なのか分からないといった類のものですし、ある程度親しい間柄でないと使っても成功しないでしょう(「女子学生の評価」でも、たったの2.02点)。

 普通の人には推奨度は星2つですが、かなりの草食系男子には星1つ、ただし肉食系男性として評価されている人には、相手の女性の期待を裏切らないという意味で星3つかもしれません。

 また、相手の女性も草食系より肉食系であることが必要で、草食系の女性だと、最初の「温泉に行かない」のところで大きく躓いてしまうでしょう。

 この戦略のポイントは、ノーと言う相手に罪悪感を与えられるかどうかで、「シャット・イン・ザ・フェイス」テクニック(この章の冒頭参照)の延長線上にあるものです。

 人間は相手の要求を断ると罪悪感を抱き、なるべく早い時期にお返ししてしまいたいと思うものなので、譲歩を引き出すには、冗談めかして言っていたとしても、会話の途中でがっかりした顔を何気に見せることが必要になってきます。