米アマゾン・ドットコムが音楽配信サービスで、米アップルに攻勢をかけている。同社は7月31日、ユーザーのパソコン内にある音楽ファイルをスキャンし、アマゾンのサービスで取り扱っている楽曲と同じものがあれば、それをスマートフォンなどユーザーの別の端末に配信するというサービスを米国で開始した。

アップロード不要の音楽保管サービス

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アマゾンがついに「スキャン&マッチ」方式の音楽サービスを始めた〔AFPBB News

 こうしたサービスは「スキャン&マッチ」方式のクラウド音楽サービスと呼ばれ、昨年アップルが先行して始めたが、アマゾンもアップルに続きこの分野に進出した。

 利用料金はアップルと同じだが、アマゾンの場合、無料版を用意したり、利用できる楽曲数をアップルの10倍にしたりするなど差異化を図っている。

 アマゾンは昨年の3月に米国で「アマゾン・クラウド・プレーヤー」を始めた。これはミュージックロッカー(音楽保管庫)とも呼ばれ、ユーザーの音楽ファイルをクラウド上に保管しておき、それを様々な端末から再生できるようにするサービスだ。

 アマゾンの場合、同社のオンライン音楽販売ストア「アマゾンMP3」で購入したものは自動で保管されるが、それ以外の楽曲、例えば他社で購入したものや、音楽CDからコピーしたものは、ユーザーが自分でアップロードしなければならず、利便性に欠けると指摘されていた。

 これに対し新サービスは、専用ソフトウエアをパソコンにダウンロードすればよく、そのソフトウエアがパソコン内の音楽ファイルのスキャンと、アマゾンの楽曲との照合をやってくれる。

 一度照合が済めば、後はアマゾンが配布するモバイル端末のアプリや、パソコンのウェブブラウザーを使ってアクセスし、いつでも再生できるようになる。

 ファイルはネット上にあるため、機器が壊れてもなくならず、アイフォーンやアイパッド、アンドロイド端末、キンドル・ファイアなどの様々な端末で利用できる。