日本の企業は、現場の対応力は極めて高い。むしろ過剰適応なくらい対応する。
しかし一方で経営陣の適応不全が目立ち、そのギャップが大きい。典型なのがデジタル/ソーシャルメディア対応のマーケティングに対してである。
ソーシャルメディアへの対応は、特にツイッターが話題になってから、またフェイスブックが映画にもなったことから、経営トップも「うちはどうなってるんだ?」ということで指示が降りてくるという話は多かったのではないだろうか。
目的もはっきりしないままフェイスブックをやりたいのだがというオーダーが広告代理店にたくさん舞い込んだと思う。
しっかりしたソーシャルメディア対応をしているところは現場の適応力が極めて高い企業であり、社長から「うちはどうなっているんだ?」と聞かれる前に既に対応を始めている。
ソーシャルメディアへの対応は、流行りだからやってみるというものではない。企業にとってソーシャルメディアとの向き合いの基本は「ソーシャルCRM」である。
パブリックリレーションとカスタマーリレーションがオーバーラップして、連携なしでは運営しにくくなることを前提とした、お客様対応のプラットフォームの再編の話である。
いわば「守り」のコミュニケーションであって、ここでは短期的なマーケティングROI(投下資本収益率)を問うような性格のものではない。
しかし実際にはブランドごとのマーケティング施策としてソーシャルメディア対応を行っている(つまり「攻め」のコミュニケーションとして)場合が多く、それはそれでいいのだが、ROIを確認できないからといって、根本的な課題である「守り」のコミュニケーション改革に手がつかないまま、「ソーシャルは儲からない」といってやめてしまうという経営判断が最悪なのである。
だから、判断をする経営にしっかりしたデジタル/ソーシャルに対する認識が必要なのである。
いずれにしても、デジタル/ソーシャルによる改革は、企業組織の考え方も大きく変えるものだ。よって大きな判断は経営トップにしかできない。現場は理解し、認識していても、各部門のなかだけでできることには限界がある。
組織横断的に各部門が連携を模索することができるボトムアップ型の会社はまだいいが、それでも経営トップがそれを承認しなければ物事は進まない。