バンクーバー新報 2012年5月10日第19号
カナダ連邦政府が第二次世界大戦中に2万2000人の日系カナダ人を強制収容したことに対し、BC州政府はそれを積極的に支援したとして7日、州政府として公式に謝罪を表明した。
日系カナダ人は1942年、BC州内陸部、州北部、プレーリーなどの施設に強制的に収容されたが、そのうちの約8割がカナダ生まれで、カナダの市民権をもっていた。
BC州政府のヤマモト・ナオミ高等教育大臣が同日、BC州議会に謝罪を含む動議を提出したところ、満場一致で可決された。
ヤマモト氏の両親は強制収容された体験をもつ。父親は当時14歳でカナダの市民権を持っていたが、他の日系人生徒と共に、突然もう学校に来ないように校長から申し渡された。
「父は校長先生にそう言われたとき、唖然としたそうです」。そして、「日本と交戦状態にあり、必要な措置を講じなければならない」と言われたという。
州議会議長のビル・バリソフ氏は「BC州政府は戦時中、日系カナダ人に対して差別的な扱いをしたことを大変遺憾に思っています」とBC州議会を代表して謝罪を表明した。
連邦政府の戦争措置法に基づいてとられたこの政策は、海岸線から161キロ以内の日系人の居住を禁止するという厳しいもので、カナダ政府は日系カナダ人を解放した暁には財産も金銭も返すと約束しながら、実際には彼らの持ち家、持ち船、財産を全部オークションで売ってしまった。